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【腸活】ご飯を冷やすとレジスタントスターチが増える?【メカニズム】

【腸活】レジスタントスターチ が増えるメカニズム
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健康的な食生活を目指す中で、最近注目されているのが「レジスタントスターチ」です。レジスタントスターチは、消化されにくいでんぷんの一種で、腸内環境の改善や血糖値の上昇抑制など、さまざまな健康効果が期待されています。特に、炊いたご飯を冷却することでレジスタントスターチの含有量を増やすことができるという事実は、多くの人々にとって手軽に取り入れられる方法として注目されています。本記事では、ご飯の冷却によるレジスタントスターチの増加メカニズムについて詳しく解説します。日常の食事に少しの工夫を加えるだけで、健康的な食生活をサポートするレジスタントスターチの力を最大限に活用してみませんか?

目次
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レジスタントスターチとは何か

レジスタントスターチは、体内で消化されない(レジスタント)でんぷん(スターチ)のことで、「難消化性でんぷん」とも呼ばれます。その名の通り消化されないため、食物繊維と同様の機能を持ち、腸内環境を整える効果が期待されています

なぜレジスタントスターチが注目されているのか

レジスタントスターチは、腸内環境の改善や血糖値の上昇抑制、満腹感の持続など、さまざまな健康効果が期待されており、特に現代の食生活において不足しがちな食物繊維を補う一手として注目されています

レジスタントスターチの健康効果

レジスタントスターチは、以下のような健康効果が期待されています。

  • 血糖値の上昇を抑える:レジスタントスターチは消化されにくいため、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。
  • 腸内環境の改善:レジスタントスターチは腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸が生成されることで、腸内環境が整います。
  • 便通の改善:食物繊維のように働き、便通を良くする効果があります。

今回は、なぜご飯が冷えるとレジスタントスターチが増えるのかについて調べてみました。

レジスタントスターチが増えるメカニズム

炊いたご飯を冷却すると、デンプン分子(特にアミロース)が再結晶化(老化)し、消化酵素に対する抵抗性が増します。これにより、レジスタントスターチの含有量が増加します

よくわからないですよね?笑

順を追って説明します。

1.デンプンの構造と加熱

デンプンは主にアミロースとアミロペクチンという2種類の分子から構成されています。これらの分子は、加熱されると水を吸収して膨張し、粘り気のあるゲル状になります。ご飯を炊くと、この現象が起こり、デンプン分子の結晶構造が一旦壊れます。

アミロースとアミロペクチンの違い

  • アミロース
    • 直鎖状の分子構造を持ち、水に溶けにくい。
    • 冷却すると再結晶化しやすく、レジスタントスターチの一部となる。
    • 高アミロースデンプンは、消化されにくく、腸内での健康効果が期待される

アミロースは、お米自体のもちもちだと言えるでしょう。

  • アミロペクチン
    • 枝分かれした分子構造を持ち、水に溶けやすい。
    • のり化しやすく、冷却後に再結晶化することでレジスタントスターチを形成する。
    • 特に、長い鎖を持つアミロペクチンはレジスタントスターチとして機能することがある

アミロペクチンは、お米から流れ出した粘り気・のり状の部分と言えるでしょう。

2.冷却による再結晶化

炊いたご飯を冷やすと、壊れたデンプン分子が再び結晶化し始めます。この過程を「再結晶化」または「老化」と呼びます。特にアミロース分子が再結晶化しやすく、これによりデンプンが再び結晶構造を形成します。この再結晶化により、ご飯は冷めると硬くなります

3.レジスタントスターチの増加

再結晶化したデンプンは、消化酵素に対して抵抗性が増します。これにより、「レジスタントスターチ(RS)」と呼ばれる消化されにくいデンプンの量が増加します。レジスタントスターチは、小腸で消化されず、大腸まで到達し、腸内細菌によって発酵されます。この発酵により、短鎖脂肪酸が生成され、腸内環境が改善されるなどの健康効果があります

メカニズムまとめ

レジスタントスターチが増えるメカニズムを一般

お米を炊くことによりデンプンの結晶構造が壊れ(もちもち)、冷えることにより再結晶化(パサパサ)し、消化されにくいレジスタントスターチが増加た状態です。

要するに、炊いたご飯のふかふかもちもちの状態を冷ますと、硬くなりパサパサになります
硬いパサパサのご飯はレジスタントスターチが増加した状態である。

これにより、血糖値のコントロールや腸内環境の改善など、多くの健康効果が期待されます。冷やご飯や冷えたパスタ、ポテトサラダなどが、レジスタントスターチを多く含む食品の一例です。

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冷却の温度と時間、レジスタントスターチの関係

2つの興味深い研究がありました。

  • 10時間常温で保存した研究
  • 24時間4℃で保存した研究

10時間の常温保存でレジスタントスターチは増加する

研究によると、ご飯を10時間常温で保存した場合でも、レジスタントスターチの含有量は増加します。具体的には、10時間冷却したご飯のレジスタントスターチ含有量は1.30 g/100 gであり、炊きたてのご飯(0.64 g/100 g)に比べて増加しています

24時間4℃で保存でレジスタントスターチは増加する

24時間4℃で冷却したご飯では、レジスタントスターチの含有量がさらに増加し、1.65 g/100 gとなります

これは想像通りですね。

研究からわかること

研究結果から、以下のことがわかりました。

  • 炊きたてのご飯:レジスタントスターチ含有量 0.64 g/100 g
  • 10時間常温保存:レジスタントスターチ含有量 1.30 g/100 g
  • 24時間4℃保存:レジスタントスターチ含有量 1.65 g/100 g

10時間常温で保存した研究

  • レジスタントスターチの増加:ご飯を10時間常温で保存した場合、レジスタントスターチの含有量は増加します。
  • 具体的な数値:10時間常温で保存したご飯のレジスタントスターチ含有量は1.30 g/100 gで、炊きたてのご飯(0.64 g/100 g)に比べて増加しています。

24時間4℃で保存した研究

  • レジスタントスターチのさらなる増加:ご飯を24時間4℃で冷却した場合、レジスタントスターチの含有量はさらに増加します。
  • 具体的な数値:24時間4℃で冷却したご飯のレジスタントスターチ含有量は1.65 g/100 gとなります。

これらの研究結果から、冷却の温度と時間がレジスタントスターチの含有量に影響を与えることが確認されました。

先の研究では、条件が揃っていないので、冷却の時間と温度どちらが大切なのか分かりづらいですね。

私の感覚だと、

冷却時間は長い方が、パサパサになる
冷却温度は低い方が、カチカチになるのかなと思います。

レジスタントスターチが増加するメカニズムから考えると、粘り気やモチモチ感が少なくなれば、再結晶化しレジスタントスターチが増加していると言えるでしょう。

常温保温でもレジスタントスターチの増加が確認されていますが、特に夏場は食中毒などのリスクも上がるので冷蔵庫での保存を徹底しましょう。

温め直しについての追加調査しました

冷やご飯をレンジで再加熱するとレジスタントスターチは増加するという結果に!

まとめ

保存するときは、迷わず冷蔵庫にいれるのが、レジスタントスターチ的にもリスク管理的にも良い。

冷却時間が長いほど、また冷却温度が低いほど、レジスタントスターチの含有量が増加する傾向が見られます。

ご飯の粘り気やモチモチ感が減少し、パサパサ感やカチカチ感が増すほど、レジスタントスターチが増加していると考えられます。

常温でもレジスタントスターチは増加しますが、冷蔵庫での保存を心がけましょう。

参考文献:

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